溜息集積場 出張所

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ポプラキミノベル ゲゲゲの鬼太郎(5)「名無しと真名」、および6期鬼太郎ノベライズ所感

画皮の回、すごいな……と再認識していましたTOKYO MXでの6期鬼太郎再放送が本日画皮の回だった)
どうも管理人です。バックベアード編突入直前がこの画皮の回(緑川さんメイン妖怪担当にして井上亜樹子女史の手による「親子の距離感」の話というキレの鋭さ)なの改めて鬼太郎の6期ってとんでもないな……と思わされていました。
もっと言うとこの回、2018年の9月末に放送されてるからギリギリでまだ我々SSSS.GRIDMANを見ていないわけでして、そんなタイミングでよりによって緑川さんご出演回がこれなのか……とも思った。同じタイミングに出水司令長がいてくれなければ大変なことになるところだった。

……前置きが長いんだけど、鬼太郎であること以上に一応無関係ではないんだよなあ!!というわけで、その緑川さんが主要ヒーローやってる某シリーズの劇場総集編BDやらイベントやら映画作品BDやらを追いかけていた結果、本格的に読むまで刊行からなんと1ヶ月経過してしまったのですが。
ようやっとポプラキミノベル、峰守ひろかず先生版の鬼太郎ノベライズ最終巻(現状)である5巻を読み終えたので、この巻単独というよりも全体的な所感が主です。といっても多分ざっくり。ネタバレも何もないんですが、一応格納しておきます。

今回のノベライズ、エピソード抜粋になっていくのは2巻時点でほぼわかっており、その中で1、2クール目からの選定と、バックベアード/アニエス編の凝縮、名無し終幕編を5巻の形でまとめるとなれば当然かなりギチギチの密度になるのですが、終わられてみるとこういうまとめ方ができるものなんだなあ、と驚かされるほど主要な要素を揃えられていたように感じます。その辺のまとめ上げ方は流石の峰守印という印象。
読者側からは推測する他ない話であるということが前提になりますが。当初から5巻構成でのお仕事だったのだとすると、長編化しそうな3・4クール目をあえて2巻分でまとめ、導入となる1巻できっちりそれを果たした上で、2・3巻のエピソード選定があえて序盤、単話で印象深かった回にフォーカスされているのが非常にポイントを押さえた小説化だったなあとも思いました。6期って序盤の単話回のバリエーションの多さ・切れ味の鋭さで視聴者をガッチリ掴んでくるシリーズでもあったので、ノベライズがそれを踏襲されたのは正しかったなと。

あと1巻時点から、6期の鬼太郎って改めて元から峰守作品っぽいメインキャラの配置と距離感してるな……というのをひしひしと感じたりも。まなの性質はもとより、鬼太郎とねこ娘とまなの関係あたりが特にそう。言動単位で言うと意外なように見えるねずみ男も行動としてはかなり近い。これは2010年台後半に妖怪ものをやるとある程度似通う部分があったりしたのだろうか……と推測する部分もあるんですが、管理人が他に妖怪ものをあまり見れていないのでなんとも。
ところでアニメ通りの展開なのに5巻終盤(具体的には5巻3話)の「血筋の関係で持っていた無自覚な力を思わぬ形で行使してしまう」絵面、「絶対どっかで見たことある!!」と叫んでしまってダメだった。見てるか牛王、お前割と頑張ってた方だったんだな(

5巻を単独で……というか、バックベアード編のクライマックスと1年目の締めをこういう形でまとめて読むと、「怒りは必要なものであるけれどその向け方・発露の仕方にとても心を配らなければならない」という対比になっていたのだろうかとも少し思います。これは同じ巻にまとまることになったからその点を強調したのかも、とも思いますが。
あと、1年目の最終回をこの展開で締められたの、マジで目疑ったな……という懐かしさも同時に思い出しました。考えてみると1年目の最後でも2年目での最終回でも、「まなが見かけ上『ねこ姉さん』より年上になる」という構図が反復されてるんですね。当時の東映アニメーション、その手の有識者の権力が強かったのだろうか……(他作品にもあったので)

管理人、年始に本ブログでも書いたのですが、峰守作品に関してはなんだかんだ「ほうかご」からずっとだいたい読み続けていて、それだけに「鬼太郎のノベライズをやります」という話を聞いた時にはいよいよこの時が来たかという印象を受けました(おそらく管理人が今後同じ感覚を覚えるには田口清隆監督がゴジラを監督するぐらいのことが必要)し、実際5巻という枠組みの中で1年目をこうまとめられたのはいつもながらの構成力だったと思わされたところです。ノベライズであると同時に児童書でもあるので、書き口自体が過去作とも少々違っていたのが印象的でもあります。

で。
それは前提として、しかし「峰守先生ここに置いて、十八番の白山坊の回と雪女の回やらないの正気か!?」という思いがあるのも事実でして……。同時に2年目以降、特に石動くんとかがノベライズされたらどうなっていたんだろうなあという興味もあり。
なので今回の5巻は5巻分1セットとして、やっぱり完全版・97話33巻分やっていただきたいというのも正直なところとしてあるという話で今回は締めたいなと思っています。
33巻拘束されるとか某グリッドマンを自分で作らないといけないことになってる監督みたいな事態になりそうだな……とか正気に戻ってはいけない。

所感というにもちょっととりとめのない話になってしまった気がしますが、何よりも「峰守ひろかずという作家に鬼太郎を書いてもらおう」と考え、実現してくださった方、そしてもちろん先生ご本人にも感謝を。元から楽しんでいたアニメシリーズでしたが、このノベライズを経てより楽しみ方が広がったような気がします。

そんでもってギリギリ間に合いましたが、今週末には6期をベースとした……してるんですよね?映画「鬼太郎誕生」が公開予定。管理人極力早めに見に行きたいと考えていますが、まだちょっとわかりません。色んな点で超楽しみなんですけどね……。それでは今回はこの辺で。