溜息集積場 出張所

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「GODZILLA×KONG THE NEW EMPIRE」見てきました(4/29 ULTRA 4DX版鑑賞所感+α 、5/6 IMAX GT版鑑賞所感追記)

m-78.jp

広瀬裕也さん、ウルトラマンアークご出演おめでとうございます!!

というわけでいよいよアークの事前情報がヤバくなってきた昨今いかがお過ごしでしょうか、傷心の記事が直前のままなのはどうなのよとそろそろ考え始めた管理人です。
「念願の辻本監督がメイン」「主人公ユウマの幼少期の想像そのものと宇宙人ルティオンが一体化することで初めて生まれる『ウルトラマン』」「主人公の所属組織は戦闘メインではないが怪獣の観測・分析を主体とする組織(SSSS.に変じる前に雨宮哲監督が用意していたグリッドマンアニメ化企画/グリユニ超全集で読めます/での特殊組織『(NOT)』で見たかったものそのもの!!)」に加えて今回の発表と、放送前の情報だけでも管理人にとってあまりに都合が良すぎて、楽しみを通り越して若干怖くなってきました。これでメインPがデッカーの岡本Pだった日にはもはや『完璧』になってしまう可能性が高くて震え上がっている。まだユウマ以外の防衛隊員の人が1人も発表になってないのにだよ!?
あとアークはどうも放送約1年前から撮影が開始されているっぽい(イマジネーションでの辻本監督・戸塚くんの対談にて『撮影開始時は猛暑だった』というコメントあり)ので『広瀬裕也って多分去年のウルサマの時点で起用決まってたんだろうな……』という、感慨というべきかなんなのかよくわからない感情がすごいです。ウルサマのナイトイベントに何故か全然違う名義で来てくれ その日の昼の公演は何故かユピーの声が生でアテられていたらなおよい。

加えて個人的にはルティオンの声が斉藤壮馬さんだと「ショーの朗読劇そういう意味かよ!!!!!!」になるため大変期待しています(もちろん他の方ではイヤだという意味ではありませんが……) それはそれとして内海が肉体を失ったまましばらくそのままなのはあまりにもあまりなので

 

www.pixiv.net

なんか書いたそうです。
扱いとしてはSSSS.シリーズのSSのはずなのにガッツハイパーキーの仕様を間違えていたことで何故か訂正がかかったりした文をお暇があれば読んでくれよな。

さてあまりにも前置きが長くなりましたが、国内での特撮シリーズの情報解禁で爆弾が投下されたり(真骨彫グリッドマンとかMODEROIDスーパーXなんかはあくまで商品展開なので触れてませんが)、他方日本産ゴジラアカデミー賞事実上の主演男優賞を取ったりする中で

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海の向こうで制作されたこちらも見てきましたよという報告です!
ネタバレのない範囲で書くべきことを書いておくと、管理人はモンスターバースシリーズではKOMがこれまで1番好きでした。結論から言えば、本作はそれと肩を並べる作品だったと感じます。抜き去るのでもなく届かないのでもなく、完全に肩を並べることで「モンスターバースにはKOMとG×Kの両方が、初期5作品の頂点として存在する」という事実が生まれた意義のある1作になっていたと感じます。

公開直後なのと、管理人がまだ整理しきれていない部分もあるので、要素要素を抜き出して短めに触れる感じになるかと思います。では以後、普通に内容に言及していくので見てない方は見てから読んでください。

1点目。本作の主役と言ってもいいコングを軸とし、全体を見ての話。

管理人、ゴジラ映画がそれなりに好きなのは前提としてあるのですが、モンスターバースでは2作目である「髑髏島の巨神」の『これ一作にモンスターバース全ての魅力が凝縮されている』という点への好感度がKOMとは別の意味で強く、当然その主役であるMVコングもかなり好きなんです。正直言ってしまうと前作「VSコング」でもコング勝っちゃっていいんじゃないかなと思うぐらいで、今思えばその点が「VS」の若干の不満でもありました(それを踏まえても十分楽しい映画であることは前提として)
ところが今作は、「VS」から継続してアダム・ウィンガード監督が手掛けているということも併せて、「VS」は前編、「×」が後編であり、この「ゴジラ×コング」という到達点には「VS」が必要不可欠だったのだと感じられて、連鎖的に「VS」の評価まで引き上げられる、という形になっており、まずその点に舌を巻いています。

具体的に言えば、MVのコングは常に「誰か/何かと繋がりを持つ」ことによって強さを発揮する、より強靭になっていく巨神である、ということを最大限に描いた物語でした。振り返ると髑髏島の時からそれは一貫していて、巨神たちに敬意を示す人々との共闘によってスカルクローラーを撃退し、「VS」ではジアたちとの関わりあってこそ島を出立、紆余曲折を経てゴジラと共にメカゴジラを打倒している。しかし「巨猿」としての彼、巨神種として確認されている中では最後の生き残りであり、彼自身が本当に「同朋」といえる存在はない……というのが、前作から本作の冒頭にかけての状態でした。
それが本作では、地下世界のより深部に構えた邪悪な巨猿スカーキングと、彼に圧政を受けている同種別個体を知り、世界に独りではなかったことを知った上でその圧政に異を唱える。(最初はスカーキングへの怒りでしかなかったかもしれませんが、それでも)
1人ではスカーキングとシーモおよびその配下たちには勝てないという事実を知りながら、以前からの友人であるジア、その新しい知人であるトラッパーたちの力を借りて再起し(右腕のアーマーがその象徴かつ『新たな姿のコング』としての意味を持ち得る構成の見事さ!)、圧政を受けていた幼い同種のスーコに見せた自然体によって慕われ、ライバルであるゴジラを自分を餌にして巻き込んでの再戦に向かい、最後にはシーモと同朋の巨猿を圧政から解放する……という流れが、予想通りなんですけども、予想通りだからこそ、期待通りの映像を見せてくれる美しさと熱さで超嬉しかった。エンドロール直前が本当に危なかった。声出し可能上映だったらスタンディングオベーションしてた可能性があった。本当に危なかった。
激震性サンダーグローブがビジュアルの変化・意味付けとしては最も強いものなんですが、序盤の時点で「地表地球人たちによって歯の治療を受けている」という、少しトボけたようにも感じる演出によって「コングは地表の地球人たちの力で足りない部分を補うことができる」ことを表現しているのも見事でした。ところで「解剖メカ型激震性サンダーグローブ・通称B.E.A.S.T.グローブ」というセンス、あまりにも最高すぎませんか。

今回は間違いなく、ストーリーラインとしてはコングが主役だったと言い切ってよいと思うのですが、彼を軸とすることで、宿敵であり今回は共闘するゴジラ、友人であるジア、そして打倒すべき相手であるスカーキングそれぞれの立場がさらに浮き彫りになってくるというのも、とても見事だったと感じます。
まずゴジラは既に地球地表上で最強の巨神であり、この地球のバランスを保つ唯一の絶対王者となっている。故に人や他者の介在をほとんど必要とせず、完全に自立して自らを強化する行為に走ることができます。まあ原発職員とティアマットちゃんはたまったものではないのですが……ティアマットちゃん超好きなビジュアルだったのでできれば生き残って欲しかった)
唯一の問題としてはコングを目の敵にしている(ところで今回明かされた事情から考えると、ゴジラがコングを敵視するのって要はスカーキングの責任なのでは?)あまり冷静さを失っているところなのですが、それもゴジラに匹敵する、地球と人類種の橋渡しをしてくれる存在であるモスラの介在で留められます。強くなるという点に関して、ゴジラは極力他者の存在を必要とせず、1個体として完成されている……という描かれ方をしている。その独立性は、孤独ではなくて孤高という立ち位置だよね、というか。
(そしてこう振り返ると、曲がりなりにも自分を「ゴジラの友」と呼んで強制的に気合を入れていたKOMの時の芹沢博士が本当に特別な立ち位置だったんだな、とも感じる)
しかしエジプトでそんな暇は1秒もないのに殴り合いを始めるゴジラとコングの画、最高でしたね…… ゴジラが気絶した隙を突いて担いでいこうとするコングこれが大好き……。

ジアちゃんに関してはわかりやすいですね。もう失われてしまったと感じた自分の同朋(巨猿族/イーウィス族)と、一方新しく縁を結んだ存在を得た時、彼らはいったいどうするのか?という対比。同朋と生きる選択をしたコングと、地表で博士と共に生きるジアの選択に大きな違いはなくて、世界にひとりぼっちだと思っていたけれどそうではなかった事実を知った時、彼らが選択したのは「自分はこうしたい」という素直な希望によるもので、それがたまたま見かけ上別々の答えになっているように見えるだけ。ジアちゃんが今後のMVシリーズに継続して出演するかはわかりませんが、世界にただ1人の孤独ではないことを知ることができたなら、地上における彼女の世界も、コングと同じように少しずつ広がっていくことでしょう。

もっとわかりやすい、というよりそれをあからさまに描いている内容ですらあるのがスカーキング。彼、ビジュアルから振る舞いからバトルスタイルからなにから、「これぞ悪役!」「これぞ悪の巨猿!!」と言わんばかりの存在感をビシバシ叩きつけてきて、巨猿たちの強制労働、スーコの父(あるいは別の親戚か?)への仕打ち、シーモちゃんに服従を強いる行為と、「こいつだけには絶対負けない!」とコングが思っておかしくない、強いだけで間違っている存在、ド王道な敵怪獣として現れてくれていて最高でした。正直「このビジュアルのコングっぽい敵が今回の相手〜?」という疑いの目も少しはあったんですが、いやはや完全に予想を超えていってくれました。ゴリラ系の力強いシルエットであるコングに対して、オランウータンやチンパンジー系の手足が長く、それゆえにリーチが長い・ずる賢い(……と書くとオランウータンやチンパンジーに失礼な気もしますけれど)イメージのスカーキングは今回の敵怪獣として遜色ない役目を果たしてくれたと感じます。お疲れ!

2つ目。ちょっともう漏れ出ている気もしますが、何をおいてもシーモちゃんですよシーモちゃん!!
モンスターバースは魅力的な巨神=怪獣たちがいっぱい出てくるにも関わらず、第1作目のムートーを例外とすると、メイン格で登場する巨神はどうしても東宝過去怪獣たちのMV版、という印象が強いのも事実でした(スカルクローラー東宝作品ではないものの、原典のキングコングに同型怪獣がいるという話だったはず)
MV的再解釈を加えられたラドンキングギドラが素晴らしいのはいうまでもなく、そこに文句をつけるつもりはないのですが、けどさ……やっぱりさ……こんだけ地下空間とか地表で眠っている魅力的な巨神がいるんだから、見たいよねメイン格の新怪獣……という思いが正直ずっとあったわけです。そこへスカーキングと一緒に来たシーモちゃんですよ!!
シルエットはアンギラス的でもあり、しかし冷凍氷結能力というのは東宝怪獣にはあまり見ない存在でもあり(むしろガメラにおけるバルゴンの存在がでかいのかもしれません)、あれだけ魅力的で美しい存在でありながらスカーキングに強制的に隷属させられているという背景を踏まえ、彼女(……らしいです、まだ確定情報見てないけど)の解放そのものがラストバトルの一種最大の見せ場、クライマックスとして機能する!!最高!!!!!!!
スカーキングがシーモを『隷属させている』というのが大変重要な要素でもあって、反目しあいながらもお互いがお互いの考えを理解して共闘するゴジラ・コングタッグに対してスカーキングは常にシーモに『命令』を下さなくてはならない。その『モタついている』感じが折に触れて演出されながら、最後にそのための道具であるクリスタルの争奪戦が起き、クリスタルの破壊はスーコが、スカーキングを活動不能に追い込むのをシーモが、そしてトドメをコングが刺す……という一連の流れが(もちろんここに折々ナイスアシストを決めまくるゴジラも合わせて)もう最高も最高でした。最後にシーモもまた「巨猿たちとともに生きていく生命」として受け入れる、共に帰るというコングのシーンがまた素晴らしくてさ……これが見たかったんだよ……。
ビジュアル面にはものすごく突出した特徴はないものの、だからこそ馴染み深く、物語上の活躍によって印象づけられる、という点でとても良かったと感じます。はよ立体物くれ。

あ、これは関連要素なのでついでに書いてしまいますが、地下空間での重力狂乱バトルの訳のわからなさと、一方リオデジャネイロでの時折現地住民からの視点が挟まれるカットがはっちゃめちゃに良かったです。ゴジラやコングたちからするとそういう意図はない/それどころではないんじゃないかとは思いながらも、「逃げ惑う人々の様子を見るコング」という1カットが挟まるだけで『彼らはどんな立場なのか?』を見事に表している。容赦のない破壊、『足元を気にしていたら戦えない』戦いの中で、巨神たちを少しでもヒーロー(的な立場)として感じてもらうにはどうすべきか?ということを真剣に踏まえていた映像だったなと。

3点目。今回初登場となるトラッパー、そして彼を含んだモナークおよび協力者への視線。
トラッパーがモナーク関係者らしく、地表地球人としてはかなり独特なものの考え方をする(吸血昆虫に吸血されることを全く厭わない、という表現が絶妙!)のを描きつつ、髑髏島から一貫している『巨神たちに畏怖を感じながらも敬う姿勢を忘れない存在こそ、この世界における人類の正しい在り方である』という視点が一貫していて、毎度のことながら大変嬉しく思いました。アンドリューズ博士もその他モナーク職員もそうですが、人類を存続させることをまず第一義に考えながら、そのために巨神たちとどう付き合うべきか?どう向き合うべきか?という点を、作品外の常識で考えれば半ば奇異と捉えられかねず、しかし完全な異常であるとも言い難い塩梅で描いているところにモンスターバースの変わらない良さを感じます。ブレーザー感想の一部でも書きましたが、巨神=怪獣を優先・尊重しながらも、怪獣優生思想とは真逆の存在なんですよね。
関連して、前作だと割とそっけない『空飛ぶ車』といった趣だったヒーヴが、今回は改良されて『コングに随伴する虫』のようなビジュアルになっていたのもかなり好みな部分でした。カモフラージュ機能やクライマックスでの活躍も含めて超好き。なんかのおまけで立体化してほしい……。

もちろん細かい部分で触れたいところはより事細かにあるのですが、まず見てきたという時点で大まかに書けるのはこんなところでしょうか。冒頭にも書きましたが、モンスターバースにおけるコング贔屓の身としては、コングとゴジラの活躍、戦う相手のバランス、そして延々と続くハイテンションな映像と、あまりにも嬉しい映画で素晴らしかったです。明日体調崩さなければ4DX ULTRA見に行ってきます。チケットとっちった。
直近、国内産のゴジラとして公開された−1.0が「唯一絶対の脅威としてのゴジラ」を軸に「生きるために戦うか一方的に蹂躙されるかしかない事態」を描いた一方、10年目にしてすでに確固たる足場を築いたと言っていいだろうモンスターバースが「巨神たちの闊歩する日常の中で起きる大事件」と「人類だけではない生命の自由を脅かすものに巨神たちと人間たちが立ち向かう」姿を描いたものであるという対比、非常に面白いですし、−1.0に負けずこちらのゴジラにもバリバリ活躍してもらいたいなあ、と素直に感じられる映画でした。ここ読んでるってことは皆さん見られてしまった後だと思いますが、まあ一回だけしか見ないのもったいないので……他の方とかも誘って見てもらえれば……。

 

ところで。最後に色々アレなこと書いていいですか。
公開前からすでに一部は出ていた、ピラミッド(の残骸)の前でゴジラとコングが雄叫びを上げる場面、本編で見てみたら間にモスラが飛んでいるせいで完全に「今こそ全員の力!合わせる時だ!!」に見えてしまってどうしようかと思った。
予告でも散々話題になったあの2人で爆走するゴジラとコングの画、直後に始まるもんで完全に頭でインパーフェクトかかっちゃって仕方なかったです。実際僕らの未来を勝ち取るために今君が必要だもんな……。

冒頭と締めが綺麗にまとまったんで今回はこの辺で。2回目以降で追記があるかどうかは未定です。

(4/29追記)

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ということで見てきましたULTRA 4DX。ULTRAの方が先に付くんですね(どうやらここ1週間ぐらいで名前が変わったらしいのでまだ馴染みがない)

当然ながら内容は同様なので、screen Xに相当する画角の広がりと4D演出について。

まずは screen Xによるボーナスシーンの方。管理人 screen XはKOMのときお台場で見て以来で、あの時は「覚醒したキングギドラの首が視界270°を縦横無尽にぶん回る」という、あまりにも衝撃的かつ、あの映画の本題とも言える画を含んだ数々の豪勢すぎる映像で大満足になった一方、「これを映画館でしか(しかも screenX上映がある期間にしか!)見れないって正気か!?」、素晴らしい体験であったからこそ「これが後から見たくなった人や screen X上映劇場から遠い人には見れないものになっているのはあまりにも酷なのでは……?」と、正直若干の疑問を同時に感じていました。映画館で見る映画の特別感として素晴らしかったということを前提に、「でもこれは限られた人々に対してサービスしすぎじゃない?」と、そういう少し複雑な感情だったんです。その時の管理人はお台場まで行かないと見れなかった(行けば見れる、行ける距離ではあったんですけど)だけに余計。
そんでもって今回見にいったところ、今回の screen X演出はいい意味で「あくまでもボーナス的に画角が広がる映像体験」であり、「キングギドラの首」のような、映画の本題、本質に食い込む追加シーン・パートはなかった……というバランスが、人によっては物足りないかもしれないと考えつつ、管理人の考えとしては安心した要素でもありました。あえて言うと、リオデジャネイロに4大怪獣が現れるシーン、シーモちゃんに吹っ飛ばされるスカーキングが左手側(映像的には上空方向)に延々と吹っ飛んでいくカットぐらいですかね。他は基本的に「あるのは嬉しいけど、映らないことがマイナスにはならない」場面になっていたことにすごく安心しました。これは逆に捉えると、「この映画は通常上映で見られる画角で物語上必要な映像を十分に提示している」証左なので。
もちろんそれは screen Xで見る甲斐がないという意味かといえばそんなことはなく、コングの駆ける壮大な地下空間の広がり、スカーキングとの戦いで周囲を囲むスカーキング配下の巨猿たちの圧迫感、エジプトでのコングの巨大感を更に増すピラミッドの映像など、「広く見えればなお嬉しい」場面自体は目白押しでした。 気になっている人は是非見てほしいバージョンです。

一方の4DX演出。こちらも結構楽しく、かつ普通に上映中20回ぐらい座り直さないといけなくなるぐらいガンガン振り回される映像でした。。ボックス内の内側の席だったのにだぜ。
体感どんなもんかというと、だいたいグリッドマンユニバースMX4Dの2/3ぐらい振り回されます。……いやこう書くとまるで「ってことは結構控えめだったのでは?」と言われそうですが、グリユニ4Dをご鑑賞いただいた皆様にはお分かりの通り、あのグリユニ比で2/3ということは正気を疑うぐらい振り回されるということなんですよ。むしろなんでモンスターバースより振り回してるんだよあの怪獣アニメ映画
ちなみに「これまで見た4Dの中で1番激しかった」と同行者の方と語られている方の声が鑑賞後に聞こえてきたりもしました。だいたいそれぐらいのレベルにあると思っていただいて良いです。

詳しい体験・演出は、可能な方は是非見にいってほしいという部分なんですが、1つだけ書かずにはいられない話がありまして、何かというとシーモちゃんの氷ですよ氷!!演出の都合上水での表現にはなってしまうのですが、後半から終盤にかけ、シーモちゃんが冷凍光線を放ちその破片が画面上で散るたびに、その方向からチラチラと氷(として意味づけられた水)がちゃんと飛んでくるんですよ!!これは正直とんでもなく嬉しいポイントで、「怪獣/TITAN固有の能力を感じられる演出」というのは他のTITANたちにはほとんどない要素なんですね。4Dの仕様上ゴジラの放射熱線をイメージさせる熱風とかは出てこないし、コングの打撃は他の衝撃と同様の機構でしか再現牙難しい(サンダーナックルをイメージさせるフラッシュはところどころにありましたかね) そんな中で、本作初出ながら既に管理人はファンになりつつあるシーモちゃんの能力を、ピンポイントかつさまざまなタイミングで『浴びることができる』というのはものすごく4DXの恩恵を感じた部分でした。
確かスモークの演出もシーモちゃんの登場で初めて解禁されたので、4DXでの彼女(噂はだいぶ広まっているもののまだ確定情報を見ていない)に関しては相当力が入ってるな……と感じました。あとラスト、スカーキングにトドメを刺す場面でゴジラがシーモちゃんに「吠える(だけ)」なのが殊更いいなとかも……。

ULTRA 4DXの鑑賞体験としては以上で、4DXの楽しさと screen Xの楽しさを両方味わえれば10倍楽しい!というコンセプトを存分に楽しめた一方、「じゃあ通常上映ではその楽しさはないのか?」といえばそんなことはなく。映画体験としてこの2つの形式はあくまでも「ボーナス」である、という位置付け、考え方がすごく明確なラージフォーマットだと感じました。このゴキゲンな映画で初めてこの形式を見れたのはとても良かったと思います。同時にこの形式で見た-1.0、一体どんな味わいだったんだろうかという疑問も今更ながらに湧いてきた。
あ、4Dなので半自動的に吹き替え版だったのですが、前作に引き続きである真綾さんやトラッパー役の宮野(しかしハルオとトラッパーって一見すると真逆の人物像なので両人を担当してるの妙に面白いな)、バーニー役の尾上さんは言うまでもないとして、ミケル役を担当されていた空気階段の片方の方がびっくりするぐらい違和感なくて、4D関係なくひっくり返りそうになりました。ベリアルの時の宮迫と同等かそれ以上だった気がする。他の作品でも経験があるんですかね……?
あと去年から今年にかけて放送されているミニアニメ・ちびゴジラの逆襲が管理人大変お気に入りなのですが、今回はその関連かメインキャストを担当されている4名(福山潤立木文彦さん、高橋李依さん、内田真礼さん)がちょい役で出演されており、結果前作VSコングと合わせてモンスターバースシリーズに濱野大輝さんと内田真礼さんが出演された(濱野さんは今作出演はないもののVSコングで序盤数カット登場のモナーク研究員役を担当)ことになってしまい次作以降なんとかして同じ画面に映ってくれねえかな……という謎の切実な欲求が急に湧いてきた。アダムも困惑するわそんなの。

ところでこんなてんこ盛りな怪獣映画を更に上乗せするような上映形式で見てきたら、空腹になるのは当然ですね?
そしてこの国には怪獣映画を見に行った後に行くのが相応しい飲食店がありますね?  そう、

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グリッドマンユニバースコラボカフェです。
……いや……1番近いULTRA 4DX上映館って当然ながら池袋で、向かってる途中で「そういや今コラボカフェやってんじゃん!!」ということに急に気づいたんですよ。チケット取る時はすっかり忘れてたんですよ(なので予約特典のイラストカードはもらい損ねた) 後期開催はともかく前期は行けないかも、と思ってたので、ダメ元で向かったら順番取れちゃったし映画見終えた後に食べれちゃったっていう……。
しかしあれですね。「龍亭(問川家)をイメージした炒飯」の担当がアカネさんなの、TVシリーズ放送から5年経ってやっていい悪意じゃないと思うんですよ。美味しかったからなおのこと。

ちなみに店内、SSSS.2作の劇場総集編およびグリユニの特報・予告編をループで再生していたんですが、

youtu.be

ゴジラ×コングを見た直後にシズムくんの「そういうものから解放してくれるんだよ、怪獣はさ」を聞くとなんとも言えない気分になりました。いや作中での怪獣/TITANの扱いが全然違うというのはわかるんですけど、TITANたちいろんなものに縛られてるから……(スキュラとティアマットちゃんの方を見ながら)(一応彼らは隙あらば自分たち以外の地上生命を駆逐しようとしていた種らしいという話も聞きましたが)

これは完全に余談ですが、開催店舗であるAMOCAFEさんってシネマサンシャインと全く同じ通りにあり、「誰とは言わないけどこれバイト上がりに毎晩IMAX GTのレイトショー見に行けちゃう立地だな……」と思わなくもなかった。時系列的な問題は無視せんとす。

というわけでULTRA 4DXの所感から綺麗にIMAX GTに話題が繋がり、噂によるとIMAX GTでは通常のIMAXよりさらに画角の広がるシーンもある(こっちは縦方向らしい)ということなので、可能であれば3回目、また見に行きたいと考えています。せっかく見れるところにいるわけですし。

というわけで、2回目鑑賞所感はこの辺で。

(5/6 追記)

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というわけでこちらも見てきましたIMAX GT版。-1.0と同じく池袋鑑賞です。
今回は再見とはいえ字幕版を2回見てきたことでようやく見えてきたことなんかもあったので、上映形式だけでなく内容に関しても触れていこうかと思います。

まずはIMAX GT上映版そのものに関して。初回鑑賞でIMAX(レーザー)版見てきてるのになんで GTも?と言われそうですが、直上でも触れた通り

「ゴジラxコング 新たなる帝国」ラージフォーマット上映の注目ポイントは?担当者に聞いてみた | 「ゴジラxコング 新たなる帝国」をもっと楽しむ!ゴジラ×コング×ナタリー 第2回 - 映画ナタリー

IMAX版は最大26%画角が広がる」という情報がある一方、自分が見たIMAXレーザー版だと明らかにそこまでは広がってなかったんですね。ってことはおそらく「最大」という表現も踏まえて GT版の話だろう、と考えて、それを確かめに行った感じです。
んで、実際に見てきた結論。screen X上映と同じく、「あるのは嬉しいけど、ないことがマイナスにはならない」というバランス、より強く言えば編集に対する思想が徹底されている、そういうバージョンになっています。管理人個人としてはとても好感が持てる編集方法に感じました。
GT版の全面スクリーン場面で印象深いのは、地下世界の美しさ・シーモちゃん初登場・ゴジラがエヴォルヴ化してからの再覚醒・コングのエジプト登場・予告でもキーシーンになっているあの爆走カット・そしてそこから始まるラストバトル全般なんですけども、じゃあこれらのシーンはGT版じゃないと楽しみきれないのか?といえばそんなことは全然ないです。元々持っている画の力とテンションがはちゃめちゃに高いので、むしろ意識していないと「あっここ広がってる場面だ」ということに気づくのが難しいぐらい。正直言ってしまうと、初見だったからという事情を加味してもIMAXレーザー版で見た時の方が興奮自体はしたかもしれません。もちろん画角が広がったことで迫力自体は増しているのですが、それぐらい『この映画の本質』がブレない映像になっています。
なので、「ラージフォーマットがすごい数あるってことは、通常上映じゃ楽しめない/楽しみきれていないのだろうか」「最上級の上映環境じゃないと『損をしている』のだろうか」と思っている方には、ご安心ください、この映画はそんなことによってパワーの落ちる内容ではありません、と胸を張って言えるものになっていました。
(GT版やULTRA 4DX版をなんとしても見たいのに、様々な事情で見れない、という方の場合はまたちょっと事情が変わってきますが……)

ULTRA  4DXの時にも少し触れましたが、管理人「追加料金を払わないと・場所の条件が揃わないと『楽しむことができない範囲』が生まれる」、視界一杯を埋め尽くすように暴れ回るキングギドラの首という体験そのものは素晴らしかったとして、それがものすごく限られた場所でしか見られない……というのにはそこそこ抵抗があるんです。GT版なんて現状日本で2箇所しか見られないわけですし。(ULTRA 4DXですら確か4箇所)(なんで池袋にそれを二つとも備えてる映画館があるんだろう……)
その観点で言うと、少なくとも今作のIMAX GT版とULTRA  4DX版に関しては、「行くことができて・追加料金を払うとその分『より楽しい』けれど、あくまでもこの映画の核は全て通常上映版の中で描き切られている、どんな見方をしても決して損はしない」という、絶妙なバランスの上で成り立っているように感じました。こういう方向に舵を切った方(可能性としてはウィンガード監督かレジェンダリーのプロデューサーかと思いますが、とにかくこう志向した全ての関係者の方々)に、強く感謝の意を表したいです。

以上がとりあえずのGT版への印象。あとは今回字幕版を再見して思ったことを箇条書き気味に。

・シーモちゃん女の子説、確定情報知らないんだよな……と思っていたら、イーウィス族の言い伝えをアンドリュース博士たちが読み解いている最中に彼女を指して「her」と表現しているシーンがはっきりありましたね……。
というかここに限らず、初見の字幕視聴だと全然聞き取れていなかったセリフがかなり多くて正直かなりびっくりした。画と字幕を追うのに手一杯で耳から人間の言語を受け取る余裕がなかった。

・今回ふと思ったんですが、イーウィス族が重力を制御して独自の文化を築いた……とは作中で言及されているものとして、その手段・媒介として用いるものは流体金属、加えてジアちゃんの道標になったものは水路である、という点から考えると、そもそもイーウィス族は『流体』の制御に長けた人々でもあるんでしょうか。そうだとすると髑髏島に移り住んだ地上のイーウィス族のほとんどが、海水という「地球表面上でもっともありふれている流体」に飲み込まれていなくなってしまったのは皮肉な話だ……。

・博士とジアちゃんの関係はコングとスーコの関係と対応しているように見てきましたが、もしかしてスカーキングとシーモちゃんの鏡像でもあるのかなあという印象。これは単純に「異なる2者の関わり合い」で見たら共通点になっちゃってるだけでは、というおそれもあるにはあるんですけども。ゴジラモスラ?あれはまあ……MV的にもう別格なので……(ギャレスは大変なものを残していきましたね……)
シーモちゃんを力と苦痛で支配する発想しかなかったスカーキングは自由になったシーモちゃんの力が決め手になって敗北します。一方、博士自身十分にできているとは思えていなかったとはいえ、ジアちゃんに彼女の全てを捧げて、養女のために生きようと努めてきたアンドリュース博士は、ジアちゃんが選択の自由を手に入れた時、なにより娘の選択を尊重する。尊重した結果として、ジアちゃんが選んだものは、もちろん皆さんがご覧になった通り。コングとスーコの関係が最初から強いつながりであるわけではない、行きがかり的なものなので(それもそれでまたコングの得る関係として美しいのですが)長く共にあったもの同士だけども本質は全く違う、という点で対応していたのかなあ、とか。

・これはあまり内容関係ないのですが、2回目であるULTRA 4DXの上映終了後には劇場から自然な拍手が起こって、 今回のGT版鑑賞中は、劇中様々な印象的なシーン、笑えたりインパクトが強すぎる場面では笑いが、感動的なシーンでは少し涙を流されているような音が、もちろん上映を損ねない程度に聞こえてきて結構衝撃的でした。上映終了後に拍手が起こる体験、舞台挨拶系のイベントでなければ多分初めてその場に居合わせたと思います。それだけのパワーのある映画だったということに疑問の余地はないので、それを体感できたのはいい映画体験だったなあと。

3回目はこんなところですかね。何かしらの突発的な行動が起きない限り、おそらく今回で本作の鑑賞は締めになると思いますが、正直Dolby cinemaやってるんだったら見たいな……」「DTS-Xってどんなもんなんだろ……」「MX4Dは見てないんだよな……」「広いラージフォーマットはこの2種だけっぽいけどTOHOの轟音とかチネチッタのZOUNDとかも体験したいよな……川崎だったらこの映画の後カワスイ行ったら『完璧』だろうな……」という肉体的事情を全く考慮していない欲望があるにはあるので、今回で最後になると断言する自信はありません。というか今日さいたま新都心行ってきていて、さいたま新都心ということはMOVIXさいたまがあり、MOVIXさいたまがあるということは Dolby cinemaがあるんですよ。たまたま行った時間が都合が合わなかったから見ずに済ませましたが、合ってたら行っていた可能性すらある。危なかった。

あ、さいたまに何しに行ってたかというのは

@accumlater.bsky.social on Bluesky

Blueskyの方に書いているので、もしもご興味のある方はそちらへどうぞ。グリユニコラボカフェの後期も行ってきたは行ってきてちょっと驚いたことも触れたのですが、ここに書くとなんの記事だかなおさら分からなくなるのでこちらでは割愛します。本ブログの方でちょっとは言及するかも。

GT版を見たことで、おそらく日本で最上級の上映環境で鑑賞してきたことになるんですが、その結果として「確かにIMAX GTの上映はすごかった。それを見た上で、この映画の本題は通常の上映でも十分に伝わるものである!!」と胸を張って断言できるようになったのはとても良かったなと感じています。興収的にも評判的にも続いてくれそうなモンスターバースシリーズ、本当に今後が楽しみになる一作が生まれてくれたなあと感慨を抱えながら、今回はこの辺で。