溜息集積場 出張所

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デジモンゴーストゲーム 最終話「『スベテヲ喰ラウモノ』」感想

今ァ!?って言われそうですがまあ色々と複合的な理由がありまして。とりあえず格納。

前置き(飛ばしてもらって構いません)

まず根本的な話をすると、今回初見です。デジモンゴーストゲームというシリーズが好きなのに放送当時に見ていなかった理由はというと、この最終回って放送日が3/26で、かつ管理人は26日の夜1時(25日の25時と言ってもいい)まで某映画の感想を書いていた上に26日の夕方にはその映画のキャストトークショー01にも行く予定になっていてまあリアルタイムで見れず、録画もしてたけどとにかくそこから7月までは怒涛すぎて見る余力がなかったわけです。んで下半期になると「これなんでもない日に見ちゃうと勿体無いな……」という思いであれよあれよと放送からほぼ1年経過。
流石に1年超えるのはなあ、と思っていたのに加えて、先日ド体調不良をかまして(これは別の機会に触れようかと思いますが、単純に自分が愚かだっただけ)このコンディションでいきなりヘビーな内容になるのがほとんど確定している劇場版ブレーザーの感想書くの怖いな……という打算がありまして、リハビリもかね、せっかくだし今のうちに見て軽く書いておこうなかあと考えた……というのが事情になります。てことで本題。

本文

当たり前と言えば当たり前のことを言いますが、ゴーストゲームらしい最終回、あってほしい要素が適度に詰め込まれていた最終回だったなあというのが1番の印象です。
間に一年挟んでしまいましたが、ゴーストゲームといえば
・1年半という長丁場の間、ほとんど全てを連作短編で通した各話の独立性
・基本的にデジモンと人間の双方に問題がなくても(明確な悪意を持っているものもそれなりにはいるけどあくまで少数派)生じうる衝突をどう折衝するかを、主人公チームの「ダウナーな人の良さ」を基にして見せる作劇
・その作劇の中で思い出したように東映アニメーションの底力を見せつけるような突出したレベルのアクション作画が挟まる
という点が魅力で、この3点が本当に適度なバランスかつ「これまでの問題どうすんの?」というのをガッチリ押さえてきた最終回で嬉しく思う内容でした。ガンマモンの口癖で見抜くヒロ、「弟」という関係性、ガンマモン進化系統を矢継ぎ早に切り替えるアクション、シリウスモンが基本的に使ってこなかった「拳」と「牙」をビジュアルで鮮烈かつ効果的に使ってきた対グルスガンマモン戦というバトルパートと、ある意味でゴーストゲームの縮図(ここでサブタイトルの『ゲーム』の方を回収してくるのか!?という驚き!)であるクオンタモンの思惑とその傍迷惑さと「そうする他はなかったと同時に、本人に罪悪感は特にない」というゴーストゲームのデジモンらしさに、彼女の考えと行動を踏まえて宙たちがパートナーと共にいることでの解決策と、明かされる事情は比較的急でありながら「ゴーストゲームだったらこうなるよね/そうだったら嬉しいよね」という形で描かれていた、良い最終回だったなあという思いが強いです。

ゴーストゲームって基本的に「(客観視するとものすごい被害を出しているように見えても)相手の常識が自分たちと違うからにすぎないかもしれない」「そうであるならまずは認識のすり合わせと相互理解をしてからでなくては始まらない」ということを、主人公サイドだけではなく相手デジモンサイドでも覚えていることが多い、その一種理想的なまでの理性に支えられているのが好きな要素でもあり、グルスガンマモン・クオンタモンという最後に対峙する相手、黒幕や暗躍者というものに対してもその姿勢を貫徹していたことと、「2000年」というタイムスケールをデジモンたちがどう捉えるかという視点で「基本的に違う生き物である」「だけど横にいることもできる」という点を改めて感じさせてくれたのもすごく好きなポイントでした。序盤、最大の衝撃を与えてくれたボコモン先生をあのタイミングで思い出させてくれるのも良くて、とにかく作劇が好みなシリーズだったなあと。

作風や時間帯的に6期の鬼太郎の影響を感じることが多く(しかし放送終了から半年ちょっと経って今度は鬼太郎が再燃するのは予想外でしたね……)、管理人も全シリーズ見ているわけではないとはいえデジモンシリーズとしては主人公チームの姿勢や雰囲気、作劇の方向性が独特だった印象もあり、かなり特異な存在感のシリーズで、今後近い作品が見られるかというとかなり可能性が低いのではないかなあと感じる部分があります。管理人が今作を見ようと考えたこと自体が結構衝動的だったので、1年半(最終回だけこんなに遅くになってしまいましたが)こんなシリーズを楽しめた幸運に感謝して、関わられたスタッフの皆さんの今後のご活躍に期待したいと考えています。それでは今回はこの辺りで。