記事タイトルの通りです。実はこれまで見れていなかった「地球防衛軍（映画）」を映画館で、ガメラ対バルゴンをTOKYO MX（サブチャンネル）で同日に見れてしまったので、ざっくりとした所感を書き残しておこうと。そんなに長くはなりません。
最初に言っておくと両作とも、ある程度は聞いていたはずなのにそれでも予想とは全然違う作品で驚きました。
地球防衛軍（4K）
去年末のラドンの時は一応TV放送してたのを見たことがあったのですが、本当に初見で4K版見ちゃうと何がどう変わってるのかわからなくて少し勿体無い気もしますね……。
それはそれ、管理人は地球防衛軍といえばもちろん初代モゲラの出典作品という印象だったのですが、一方で幼少期に読んだ怪獣図鑑などではどうにもその扱いの少なさが不思議だったんです。そして見てわかったんですが、初代モゲラって全然メインの存在ではなく、かといっていなくていいわけでもない、「前哨戦」としての毛色が強かったからああいう扱いだったんですね……。
なんらの勧告もないミステリアンによる侵略行為（土地の広さのみでいえば大したことではない当初の要求からあれよあれよと肥大していく主張に「侵略」の本質を感じます）とそれに対抗する地球人類側の応戦（『人類共通の脅威が現れれば全世界は立場を超えて協力し合うはずだ/べきだ』という視点の力強さよ）、決戦兵器として現れるマーカライトファープおよび原子砲やミステリアン要塞のビジュアルの渋さ、前哨戦でありながら見応えが薄いかといえばそんなことはないモゲラ戦……と挙げればキリはないのですが、個人的に印象深かったのは科学技術の発展している/していない立場への眼差しでした。
本作はミステリアンが完全に地球側を侮っている・みくびっているという立場が全ての土台にあるわけですが、地球人の側にそういう視点がないかというと、冒頭渥美が白石に言う「こんな田舎でお前は何をしようっていうんだ」といった趣旨の発言から、地球人にも程度の大小はともかく近い心理はあるものだということが示されているのが地味に効いていたように感じます。物語を左右するような言動ではないのですが、「地球人は何かを間違えればあっさりミステリアンと同様の存在になりえる」という視点が用意されているのがあの時代の東宝特撮的であるなと。
あと完全に余談になりますが、地球人のそれも女性にああいう扱いをするミステリアンがマジでキモい。せめて男女平等にやってるのであればまだいいんですが（いや事態としては悪化してるけど……）絵面がマジでキモくて二周ぐらい回って感心してしまいました。
昨日ブレーザーの6話を見たばかりなので、ミステリアンとカナン星人の身勝手さってかなり似てるな……とも思ったり。
往年の東宝特撮、見れている作品が少ない（去年井上泰幸氏の生誕100周年展覧会を見て改めて感じたばかり）ので、映画館で見る機会になるこの4K化は継続してやっていただきたいですね。メディアでも見ていくべきなんですけども。
ガメラ対バルゴン（TV放送）
き……聞いてた昭和ガメラと違う！！！！！！！
いやまあもちろん「バルゴンは昭和作品の中だと異色作」ぐらいには聞いてたんですが、大怪獣ガメラから2作目でこれが出てくるとかなりビビります。平成ガメラシリーズってこの作品の空気感に1番近かったんじゃなかろうか……。本編、陰影を強調した演出のモダンさ（小野寺がお兄さんと乱闘する時の光の入り方よ！！）といい、ガメラに輪をかけて意図が見えないバルゴンの不気味さ・脅威さ（ただ歩いているだけで火の海になる神戸港と凍結地獄と化す大阪！！彼が暴れている最中ずっと「怪獣はね。人に都合を合わせたりしないよ。いるだけで人の日常を奪ってくれる」がグルグル回って仕方なかったです）、そしてガメラのあまりにもフリーダムな振る舞い（「バルゴンがすごいエネルギーを放出したのでガメラが飛んできました」のシーン、直前までのバルゴンの気味の悪さの反動で爆笑してしまいました）と、見どころがありすぎる……。
「一度敵怪獣に敗れて動かなくなるガメラ」はガメラ2の仙台周り、「禁足地に入り込んで封印を解いてしまった結果関西方面が大惨事になる」という点はガメラ3の大筋と一致しているのは意図されたものだったんですかね。
人智を超えた怪獣をそうとは知らずに目覚めさせてしまったが故にその責任を取ろうとする主人公、そんなことは気にもせずに自分の欲望を優先する小野寺、人間が全ての手を打ち尽くしてそれでも勝てない怪獣という圧倒感、この時点だと別にこのラストだからってめでたしめでたしではないよな……（ガメラはこの時点では普通に人類にとっては脅威なので）な身も蓋もなさと、予想していたよりも遥かに楽しめてしまい存外の喜びです。人類がかなり頑張ってる描写が厚い地球防衛軍と同日に観れたのはかなりよかったな……。
そりゃガメラリバースにバルゴン出てくるか出てこないかでファンがハラハラするわけだよ。私はサプライズ味方怪獣として出てくる方に賭けたいと思っています。
来週土曜はギャオス放送なので、ブレーザー感想を手早くまとめてまた楽しみたいなと感じる次第でした。
